御成門プログラマーの技術日記

Microsoft AzureやAngularなどの技術情報を発信します

2023年4月1日からの Azure サービス日本円価格 改訂についての情報と影響範囲をまとめてみた

2023年2月28日に日本マイクロソフトから Azure サービスが2023年4月1日から日本円価格の15%値上げするという案内が届きました。価格の改定については2022年11月2日時点で発表されている内容でしたが、改めてインパクトの大きさを感じました。
news.microsoft.com

今回はAzure 値上げの影響と 値上げした今だからこそやりたい Azure をコストを効率よく節約する手法を紹介します。

2024年4 月の価格改定についての記事はこちらから

2024年にも大きな価格改定のニュースが飛び込んできました。
2024年4月の価格改定に関しては下記の記事で情報をまとめていますので、そちらをご参照ください。
onarimon.jp

以下からの情報は2023年4月の価格改定の情報となります。

2023年4月1日からのサービス価格改定で Azure サービス価格が15%の引き上げへ

2022年11月2日 に日本マイクロソフトの候補部門から下記のようなMicrosoft 製品の価格改定に関するアナウンスがありました。

日本マイクロソフト株式会社は、日本円の為替変動に伴い、2023 年 4 月 1 日から、法人向けライセンスおよびサービスの価格を改定し、オンプレミス製品を 20%、オンラインサービスを 15% 引き上げます。新価格は、2023 年 4 月以降の契約更新や新規契約のお客様に適用されます。

マイクロソフトは、ソフトウェア製品およびオンラインサービスの現地価格の影響を定期的に評価し、地域間の合理的な整合性を確保しております。今回の変更はその評価の結果により、米ドル水準に近づいた実勢価格に調整した結果となります。

このアナウンスメントは、ハードウェア (Surface 等) またはコンシューマ向けに提供している Windows, Office 及び Microsoft 365 サービス等は対象としておりません。マイクロソフトの製品がリセラーを通じて販売される間接販売の場合、最終価格と販売通貨は引き続きリセラーによって決定されます。

本ページのすべての内容は、作成日時点でのものであり、予告なく変更される場合があります。正式な社内承認や各社との契約締結が必要な場合は、それまでは確定されるものではありません。また、様々な事由・背景により、一部または全部が変更、キャンセル、実現困難となる場合があります。予めご了承下さい。

日本マイクロソフト、法人向けライセンスおよびサービスの価格改定について - News Center Japan より引用。

Azure のコストが15%増えるということで、企業としても少し身構えることになりそうですね...

2023年4月1日のサービス価格改定での影響範囲について

2023年2月28日に Microsoft から日本円で請求されるサブスクリプションに関連してるユーザーに向けて「重要なお知らせ-Azureの日本円での価格調整を近日中に実施します」という件名で案内が来ております。

その案内の中でこの変更がユーザーにどのような影響があるかを説明してくれていたのでまとめます。ただし、ここに書いてあることはあくまで一般的な情報ですので、実際の価格の変動についてはMicrosoftの担当営業、もしくは販売代理店に確認することをおすすめします。

エンタープライズ契約(EA)またはエンタープライズサブスクリプション契約(EAS)、MPSA、サーバーおよびクラウド登録(SCE)

これらの契約で Azure を利用しているユーザーは、契約開始時点でのAzure価格でベースラインが決められていて、契約期間(1年または3年ごと)はベースラインを上回らない価格保護が適用されています。そのため、これらの契約では今回の値上げではベースラインまでの値上げとなります。
learn.microsoft.com
ただし、契約更新のタイミングでベースラインが見直されるため、今回の15%値上げした価格でベースラインが見直されることになると思います。

従量課金制のサブスクリプション(MOSP/Web-Direct)

従量課金のユーザーはベースラインはなく、そのまま価格変動の影響を受けるため2023年4月1日以降は値上げした価格でコストがかかります。
azure.microsoft.com

Azure の クラウドソリューションプロバイダープログラム(CSP)

CSP の場合は 販売代理店のパートナーによって価格がどうなるか決定されるため、価格の変更はパートナーごとに変わります。
azure.microsoft.com

Azure の新しいコマース

Azureの新しいコマースという価格形態を始めて聞いたので、よくわからないので書いてあることをそのまま載せておきます。

Azure の新しいコマース価格は米ドル建てであり、今回の変更には影響ありません。

こんな今だからこそ改めて Azure コストを効率よく節約しよう

上記で紹介したとおり、Azure の使用量は値上げしてしまいます。少しでもコストを減らすことができる Azure で割引を受けることができる仕組みを紹介しようと思います。

「Azure Spot VM」 余っているリソースを割引で使用する

Azure Spot VMは、Azure内で余ってるリソースを使用することでVMを割引を受けて使用することができる機能です。

需要が上がると削除や停止される可能性があるので、本番の環境では使いずらいですが、バッチなど必要な時だけ動かせばいいものやテスト環境ではお得にVMを使うことができると思います。

詳しくは下記の記事で紹介しているのでこちらをご参照ください。
onarimon.jp

「Azure Resavations」で予約購入することで割引を受ける

Azure Resavations は Reserved Instance とも呼ばれることがあるサービスですが、Azure リソース1年分、もしくは3年分の利用を確約することでその期間のコスト割引を受けることができる機能です。

スケールサイズも変更できなくなるので、本番で使っている環境のリソースでそのまま使い続けることが決まっているリソースをお得に使用することができます。

詳しくは下記の記事で紹介しているのでこちらをご参照ください。 onarimon.jp

「Azure Saving Plan」 時間単位の固定金額を支払うことをコミットすることで割引を受ける

Azure Saving Plan は2022年に新しくリリースされた割引サービスです。Azure Resavations がリソース単位に使用を確約するのに対して、Azure Saving Plan は時間ごとに使用する最低使用料金を確約するプランです。そのため、リソースやサイズを指定することなく、柔軟に割引を受けることができるメリットがあります。

詳しくは下記の記事で紹介しているのでこちらをご参照ください。
onarimon.jp

最後に

円安の影響でさまざまな値上げラッシュが来ていましたが、とうとうIT業界にも来てしまいました。現状、この状況は避けることはできないので、少しでも負担が少なくなるよう工夫して今までどおり自由にサービスを選択して、最良のアーキテクチャを築けるようになっていきたいですね。私も1ユーザーとしてこういった情報を公開することで使い控えが起きるのではなく、活性化できる方向に持っていけるよう尽力していきたいです。