御成門プログラマーの技術日記

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サブスクリプションやリソースグループのタグを子リソースに継承するAzureコスト新機能「タグの継承」を試してみた

2022年11月の Microsoft Cost Management アップデートに出てきたサブスクリプションやリソースグループに設定したタグを子リソースに継承するAzureコスト新機能「タグの継承」を試してみたので紹介します。

タグの継承を使用してサブスクリプションとリソース グループのタグでグループ化する機能がプレビューに

Microsoft Cost Management の2022年11月アップデートで面白い新機能を見つけました。

タグ付けはコストをグループ化するための効果的なメカニズムですが、すべてのリソースにタグを付け、リソース プロバイダーに依存して、課金パイプラインでの使用に関するタグをサポートおよび出力する必要があります。これらの制限を克服し、コスト レポートにタグを簡単に使用できるようにするために、Cost Management タグ継承プレビューを使用して、コストの詳細でリソース グループとサブスクリプションのタグをリソース使用状況に自動的に適用できるようになりました。

Microsoft Cost Management updates—November 2022 | Azure のブログと更新プログラム | Microsoft Azure より引用したものを翻訳。

今までコスト詳細で出力される明細の単位はリソース単位でしたが、そのリソースに登録されたタグしか表示されていなかったため、グループ化するためにはすべてのリソースにタグ付けをする必要があり管理が大変でした。

今回の機能が出てきたことでサブスクリプションやリソースグループに設定されたタグがその子リソースに継承されるため、その設定の手間が省ける機能となります。それでは実際に動きを見てみましょう。

タグの継承(プレビュー)を実際に試してみた

タグの継承を有効にする方法

Microsoft の公式ドキュメントにも載っていましたが、タグの継承の有効にするには下記のアクセス許可が必要なようです。

  • サブスクリプションの場合:Cost Management 共同作成者
  • EA 課金アカウントの場合:エンタープライズ管理者
  • MCA 課金プロファイルの場合:課金プロファイルの共同作成者

この権限を持ったアカウントで Azure Portal から設定を変更できます。 「Cost Management」→「課金アカウントの管理」→「Tag inheritance (preview)の編集」をクリックします。
タグの継承の設定画面が出てきます。

「Automatically apply subscription and resource group tags to new usage data. (サブスクリプションとリソース グループのタグを新しい使用状況データに自動的に適用する)」のチェックを入れます。  
「When the resource has a tag with the same name:」でリソースが同じ名前のタグを持っているときにどうするか確認されます。
「Keep the resource tag」の場合は既存のリソースのタグがそのまま残り、「Use the subscription or resource group tag」の場合はサブスクリプションやリソースグループのタグの値が優先されリソースのタグの値が上書きされます。詳しい上書きのルールの説明については公式ページに書いてあるのでそちらをご参照ください。


あとは適用するだけです。ここにも書いてあるように適用されるまで最大24時間ほどかかるようです。

ちなみにタグが継承される範囲ですが、月の途中に設定を行った場合その月の1日からの使用状況レコードが設定した日に存在していたタグを使用して更新されるみたいです。また、タグの継承設定を無効にした場合は、継承されて作られたタグは削除されるようです。

継承されたタグを確認する・活用する

24時間後に実施に確認してみました。今回の継承ですが、あくまでコスト状況で使われるタグのようで実際のリソースにはタグは付与されていませんでした。影響はあくまでコストの範囲ということです。

続いてコストの使用状況詳細を確認します。 ダウンロードはこちらからできます。使用状況詳細をAzure Portal からダウンロードする方法については別の記事で紹介しておりますのでご参照ください。

CSVファイルをダウンロードしてみると、タグ (Tags)列にリソースには設定していないリソースグループのタグが入ってました。どうやらタグの継承は成功しているようです。
これは便利そうな機能だ。また、公式ページにも書いてありましたが、Cost Management の画面からタグの値でグループ化して表示することもできるのでコスト分析がさらに捗りそうです。グループ化の部分でタグを選択するだけです。

AzureCostManagement(Microsoft Cost Management) 周りは以前は機能も少なく自分で管理用にシステムを構築しないと不便な部分もありましたが、Azure Portal で完結できるようになる時代が近づいている気がしますね。

参考ページ