Azure Communication Services のメール送信機能に設けられている時間あたりの送信数などの制限ですが、制限の引き上げ方法を残しておこうと思います。
- Azure Communication Services メール送信機能のレート制限事項について
- メール送信機能のレート制限を引き上げる方法
- (参考)Azure Communication Services メール送信機能 の初回設定方法の記事
- 参考情報
Azure Communication Services メール送信機能のレート制限事項について
2023年8月28日現在、Azure Communication Services メール送信機能には下記のような制限があります。
こちらの制限を超える場合は、メッセージは送信キューに登録されずメール送信が行えません。
- 電子メール送信数の制限
- 1分で30メール送信まで
- 60分で100メール送信まで
- 電子メール状態の取得
- 1分で60回取得まで
- 60分で200回取得まで
- サイズの制限
- 電子メールの受信者の数は1回50人まで
- 電子メール要求の合計サイズ(添付ファイル含む)は1回10MB まで
最新の制限値に関しては公式ページをご参照ください。
learn.microsoft.com
制限の閾値を見てみると結構簡単に達してしまうような値ですよね。おそらくスパムメールなどの不正使用に使われないようにするために設けられた制限ですが、このままでは本番運用できませんのでレート制限を引き上げる必要があります。
メール送信機能のレート制限を引き上げる方法
メール送信機能のレート制限を引き上げる方法ですが、Azureサポートリクエストから送信ボリュームの増加を要求可能とのことです。
問題の説明ではサポートリクエストで下記のような感じで情報を入力しましょう。
上限の引き上げで詳細情報として必要な情報があるのですが、サポートの方に聞いたところ下記のような情報を説明に追加してほしいとのことでした。
- メール送信数制限を引き上げたい対象のサブスクリプションID、テナント名、Azure Communication Serviceリソース名、Email Serviceリソース名
- 希望の上限(項目ごと、n件/1分、m件/1時間など具体的な値)
- 送信に利用するドメインはカスタムドメインか
はい/いいえ- 送信に利用するドメイン(noreply@example.com など)
- メール機能を利用する目的
- 送信を利用するユーザーの会社名 (英語表記)
- 送信を利用するユーザーの会社のウェブサイト URL
- 送信を利用するユーザーの会社の事業内容について簡潔にご説明ください (一言程度)
- 他のアプリケーションから本サービスを呼び出して Email を送信するか。
- 9で呼び出す場合、呼び出し元のアプリケーション種別 (お客様独自アプリケーション or Azure リソースの場合製品名(App Service, Logic App, Azure Functions, など))
- 送信元となるメールアドレス (複数ある場合は全て記入)
- 送信先となるユーザーが配信解除を希望、もしくは送信不達となった場合、対象ユーザーをどのように送信先から除外するか
これらの情報やメール配信の失敗率、ドメインの評判、スパムや不正利用のレポートなどで判断され、制限の引き上げが承認されるとのことです。そのため、制限に引き上げを考えている方はここら辺の情報を用意しておくといいでしょう。私の場合はその後、Azureサポートから設定した値に関して1回やり取りがありその後、制限引き上げの対応が行われました。
サポートの緊急度にもよると思いますが、注意するところとしては、申請してから短い期間ですぐに審査が終わって承認されないと思うので、本番運用開始前から計画的にサポートに依頼しておく必要がありそうですね。
(参考)Azure Communication Services メール送信機能 の初回設定方法の記事
Azure Communication Services のメール送信機能の設定方法の紹介は下記の記事で紹介しておりますのでそちらをご参照ください。
onarimon.jp