御成門プログラマーの技術日記

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Azure SQL Database の「ライセンスフリー スタンバイ レプリカ」を調べてみた

2023年11月15日に公開されたAzure SQL Database の「ライセンスフリー スタンバイ レプリカ(License-free standby replica)」についての紹介記事です。

2023年11月15日 SQL Database 「ライセンスフリー スタンバイ レプリカ(License-free standby replica)」のパブリックプレビューが発表される

Microsoft Ignite があった裏の時間で Microsoft Ignite 発表や BOOK OF NEWS にはありませんでしたが、Microsoft の公式技術ブログで下記のようなアナウンスがされました。
techcommunity.microsoft.com

以下、日本語訳です。

私たちは、Azure SQLデータベースのライセンスフリーのスタンバイレプリカのパブリックプレビューを発表することを嬉しく思います。これにより、セカンダリの災害復旧データベースをスタンバイレプリカとして指定することで、ライセンスコストを節約することができます。通常、ライセンスコストは約40%を占めるため、ライセンスフリーのスタンバイレプリカを使用すると、セカンダリは約40%安くなります。

License-free standby replica for Azure SQL database - Microsoft Community Hub より引用、機械翻訳。

今までデータベースの冗長構成を取るためにレプリカを作ろうとすると、Databaseをもう1つ作る必要があったため、普段は使わないデータベースの費用が1つ分余計にかかっていました。
ライセンスフリー スタンバイ レプリカ を使うことで2つ目のデータベース費用が40%安くなるということで、これは SQL Database を運用する方にとっては気になるニュースですね。 ということで「ライセンスフリー スタンバイ レプリカ」詳しく調べてみました。

ライセンスフリー スタンバイ レプリカ とは?

早速Micrsoft 公式の MS Learn ページも出来ていました。概要や機能、制限事項などはこちらに書かれていますね。
learn.microsoft.com

ライセンスフリー スタンバイ レプリカ を一言で言うと「Azure SQL Database のディザスタリカバリーデータベースのレプリカの種類をスタンバイレプリカにすることで、スタンバイレプリカ分のデータベースのライセンスコストを節約できる」ものですね。
詳しい概要や機能詳細は公式ページをご確認ください。

使用できるのは ディザスターリカバリー用途のみ

"スタンバイ"レプリカ であるため、運用アプリケーションからは接続できないことが条件になります。あくまで非常用のフェールオーバー先としての利用用途のみで、読み込み専用レプリカとしての使用はできない点にご注意ください。

サポート対象

また、制限事項という形でライセンスフリー スタンバイ レプリカ のサポート対象のモデル、コンピューティングレベル、サービスレベルは決められています。2023年11月30日現在、プロビジョニング済み単一データベースで、サービスレベルが General Purpose もしくは Business Critical の中の限られたハードウェアのみが対象となっています。現状ではHyperscale や SQL Database サーバレス や エラスティックプールなどには対応していないのでご注意ください。

ライセンスフリー スタンバイ レプリカ の作成方法

まずはシングルデータベースを作成します。
詳しくは省略しますが、前述のとおりサポート対象の設定があるのでご注意ください。

作成した SQL Database で「レプリカの作成」を行います。

スタンバイレプリカのサポート対象で構成されている場合、レプリカの作成画面で「レプリカの構成」が選択できるようになり、「スタンバイレプリカ」を選択できるようになります。ただし、上記のとおりスタンバイレプリカには使用条件があり、使用に関して同意を行う必要があります。

あとは流れに沿っていけばスタンバイデータベースレプリカが作成できます。
作成したレプリカのデータベースの「レプリカの種類」が「Stanby」になっていることを確認しましょう。

その後は通常の流れの通り作ったスタンバイレプリカを使ってフェールオーバーグループを作成します。

フェールオーバーグループの設定画面。

ライセンスフリー スタンバイ レプリカ の構築は以上です。
簡単ですね。
重要な運用環境では必須とも言えるフェールオーバー設定にお得なサービスが現れましたね。今までコストがネックで運用できないケースもあったかとも思いますが、これを機に導入を検討するのもおすすめです。

参考情報

techcommunity.microsoft.com
learn.microsoft.com