御成門プログラマーの技術日記

Microsoft AzureやAngularなどの技術情報を発信します

Azure SQL Managed Instance 無料オファーがパブリックプレビューしたので試してみた【12か月間無料】

2023年12月21日に公開された Azure SQL Managed Instance が12か月間無料で使える「Azure SQL Managed Instance Free Offer(プレビュー)」の紹介記事となります。

Azure SQL Managed Instance とは

まずは Azure SQL Managed Instance とはどんなサービスなのか紹介します。
公式ページの説明を引用します。

Azure SQL Managed Instance は、最新の安定バージョンの Microsoft SQL Server データベース エンジンと、99.99% の高可用性が組み込まれた修正プログラム適用済み OS で常に実行され、SQL Server とほぼ 100% の機能互換性を提供するスケーラブルなクラウド データベース サービスです。  Azure SQL Managed に組み込まれている PaaS 機能を使用すれば、Microsoft がバックアップを処理している間、ビジネスにとって重要なドメイン固有のデータベース管理や最適化アクティビティに集中できます。また、SQL およびオペレーティング システム コードの修正プログラムの適用と更新により、基盤となるインフラストラクチャの管理の負担が軽減されます。

Azure SQL Managed Instance とは - Azure SQL Managed Instance | Microsoft Learn より引用。

Azure SQL Managed Instance とは何かをまとめると「SQL Server とほぼ100%の機能互換性を持つPaaSサービス」ですね。Azure には「VM上で起動する SQL Server」や「Azure SQL Database」などがありますが、「VM上で起動する SQL Server」はIaaSのサービスで「Azure SQL Database」はよりマネージドレベルの高いPaaSのデータベースサービスと言う差別化がされています。

「Azure SQL Managed Instance」と「Azure SQL Database」の機能比較についてはこちらの記事が参考になります。
SQL Database と SQL Managed Instance のデータベース エンジンの機能を比較する - Azure SQL Database & Azure SQL Managed Instance | Microsoft Learn

SQL Server との互換性が高いことから オンプレミスやIaaSからのPaaSクラウド移行サービスとして使われることが多いですね。

2023年12月21日に公開された Azure SQL Managed Instance 無料オファーについて

2023年12月21日に Microsoftの公式アップデート情報で無料の SQL Managed Instance パブリックプレビュー開始についての情報が公開されました。

SQL Managed Instance の全機能を無料でご利用ください。私たちは、お客様のデータベース運用の強化にとって、簡単なクラウド移行の重要性を認識しています。4 個または 8 個の仮想コアと 32 GB のユーザー データを備えた SQL Managed Instance は、クラウド移行のテストを簡素化し、潜在的な複雑さを軽減しながらシームレスな移行を保証します。効率性、拡張性、セキュリティを提供するソリューションをご覧ください。無料の SQL Managed Instance を使用すると、データベース操作の最適化、ダウンタイムの短縮、パフォーマンスの向上を実現できます。

Public Preview: Free SQL Managed Instance | Azure updates | Microsoft Azure より引用(機械翻訳)。

合わせて Microsoft Learn ページも公開されていました。
learn.microsoft.com

12か月間無料で下記の Azure SQL Managed Instance を試すことができます。

  • 最大100個のデータベースを持つ General Purpose インスタンス
  • 毎月720仮想コア時間のコンピューティング
  • 64GBのストレージ

Azure SQL Managed Instance 無料オファー の前提条件、制限事項

Azure SQL Managed Instance 無料オファーを使うには、サブスクリプションの契約形態に制限があるみたいです。

  • 従量課金制 (003P)
  • CSP の Azure (0145P)

エンタープライズなどには対応していないようなので注意が必要です。なかなか条件が狭い。 また、下記のような制限事項があります。公式ページより引用しています。

  • 仮想コア時間: 720
  • ストレージ: 64 GB ですが、システム ファイルには最大 32 GB が必要な場合があるため、ユーザー データ用の容量は 64 GB 未満にすることができます
  • サブスクリプションあたりのインスタンス数: 1
  • コンピューティング: 4 および 8 仮想コア インスタンスのみ
  • サービス レベル: General Purpose のみ
  • ハードウェア:標準のみ
  • ゾーン冗長性: 使用不可
  • フェールオーバー グループ: 使用不可 *スケーリング: コンピューティングの制限内でスケールアップまたはスケールダウンします
  • バックアップ: 短期保有の場合は 0 から 7 日、長期保有期間 (LTR) は使用できません
  • SQL Serverライセンスの料金:なし
  • 現在、無料オファーは、オーストラリア東部、米国東部、米国東部 2、北ヨーロッパ、スウェーデン中部、東南アジア、米国中南部、英国南部、西ヨーロッパ、米国西部 2、米国西部 3 のリージョンでご利用いただけます (変更される可能性があります)。
  • SLA の保証なし
  • 現在、無料インスタンスを有料バージョンにアップグレードすることはできません。新しいインスタンスを作成し、そのインスタンスにデータベースを復元して、無料オファーによる制限なしにビジネスを継続します。

Try for free (preview) - Azure SQL Managed Instance | Microsoft Learn より引用(2023年12月21日時点の記載内容です)。

Azure SQL Managed Instance 無料オファー を実際に使ってみた

それでは Azure SQL Managed Instance 無料オファー を実際に設定してみようと思います。
というわけで Azure SQL Managed Instance の作成画面です。 「SQL MI を無料で試したい?」という項目が出てきて「Apply free offer(Preview)」と書いてあるので押してみます。

見積総額がFreeになりました。また、選べるサブスクリプションがFree Offer が適用可能なサブスクリプションのみになり、私の環境の場合は「従量課金」のみになっていますね。

制限事項にありましたが、2023年12月現在、日本リージョンは選べません。

コンピューティングとストレージの設定は、無料オファーで決まっているので選択できません。

あとの設定は有料版とそんなに変わらないかな。
というわけで作成完了。無料オファーでの作成は簡単ですね。
今後の動きに関しては続報あり次第、本ブログまたはこの記事に更新していこうと思います。
従量課金(自腹)の環境で年末年始つくったまま放置しておきましたが、コストは発生しておらず、自腹を切ることはなかったです。

最後に Azure SQL Managed Instance 無料オファーの利用用途について考える

以前、本ブログでも「SQL Databaseの無料枠を本番環境で使ってはいけないのか調べてみた」でも紹介したとおり、本番利用が禁止されているわけではありません。 onarimon.jp
しかし、SLAがない点や無料枠を使い切ると停止してしまう点を考えるとお試し目的の機能ですね。制限事項にあるとおり、今回の無料オファーは有料版にアップグレードもできないですし、本番利用はおすすめできません。

しかしながら、これから Azure SQL Managed Instance を検討している、機能比較を行いたいなどの目的をお持ちの方であれば、スモールスタートでお試しできるチャンスですので是非、ご活用ください。